― 五月下旬/3-A教室 ―
[朝のHR前か、休み時間か。
勉強に励む者、誰かの机の近くに集まって談笑する者など、
生徒がそれぞれ自由な時間を過ごしている。
結月は教室後ろの窓際で友人と談笑していた。
空けた窓から風が入り、
端で結ばれたカーテンの塊と結月の二つに結んだ髪を揺らす。
ふと、結月の視線が教室の内側へと流れる。
視線の先には花瓶があったはずだ。
出会った人>>155とお互いにすれ違ったままの誰か。>>130
二人の手>>0:313>>0:315で第二の生を与えられた花が、
教室に新たな色を灯していることだろう。]