壁と床の間、僅かな隙間を押し込めば、壁が傾いて二人分の隙間ができる。そこに男と共に滑り込む。男がそこにいることを確認して、一度壁を戻す。こちらの様子に気が付いていない看守達を気絶させてから、一人分だけ隙間をつくり、再び壁の内側へと戻る。しっかりと閉めれば、すぐには気づかれないだろう。持っていたライトで内側を照らす。薄暗くカビ臭い壁の内側は、碌な手入れもされていない。]