――恋、ですか。
[話題として唐突ではあったが、相手がうら若き女性であることを鑑みるとおかしいとは思わない。人が恋愛に悩むのは常であるから。特に若者であれば。
この一言だけでは、私も概念的な返答しかできない。どうしようかと考えを巡らせてその質問の意図を、それを聴きたいと思った経緯を訊ねる事にした。]
そうですね…出来る限り貴女の考えを助けられるように。
力になれるようにお答えしたいと思うので。
宜しければ、何故それを聴きたいと思ったのか、
そのきっかけがあれば教えて貰えますか?
[いくら彼女のような乙女は常に恋に悩んでもおかしくないとしても、何か思いつめるきっかけはあったはずである。見知らぬ相手の意見を求めるぐらいの切迫した出来事があったのではないかと。
私の問いに彼女はぽつぽつと答えてくれたので、その概要について把握することが出来た。
彼女は元同級生の悪気ないアドバイスにもやもやしてしまったのである。>>154]