─夜の女王のアリア・ページボーイと─
ページボーイ、ごめんね。きっと引きこもってても危ないのは本当だったと思うんだ。
[ハグには素直に応える。人の腕は背のケースにしまい、両腕は肩から大きいため、小さい体ながら手を回すのも一苦労だったろう。しかし頭を抱えるだけならそう苦労はしないだろうか?
どこか顔つきの変わったような、泣きはらした跡があり、それでも強い眼差しの彼女を見送って視線は彼女の奥に。]
……わたしの方がきっとずっと強いよ。それに、いつまでも守られるだけじゃあ、いずれ破綻していた。
[そう言って背中を軽く叩く。衝撃はほとんどないはずだが、その重厚感は振り回すだけで狂気になると確信できるもので、よほど慣れていなければ穏やかな気持ちではいられないだろう。]
――それでも。ページボーイも、戦うの?
[わたしが守るから下がっていて、と言えたらどれほど良かったか。彼女が呑み込んだその言葉を私に言えるはずもなく。ただ、無事の再開を噛みしめて、ページボーイが満足するまで抱かれ続けていることだろう。*]