ー 過去回想:暮れぬ朝の王の話 ー
[スラム街の弱者共を束ね、
日の照る世界を目指し進軍を続ける血の太陽。
誰よりも何よりも強くなりてえ。
誰かの日陰に怯えて暮らすなんざ、まっぴらゴメンだ。
だから、一番上の玉座以外の地位には興味ない。
今一番玉座に近いやつを引き倒して、嫌がらせして、足引っ張ってでも、自分たちが近くになりたい。
どこまでも自らの欲望に忠実な男は、自分の欲望の障害となりえる組織については、配下のものに情報を集めてくるように支持していた。
例えばそう。最近、このあたりの治安を勝手に良くしてくれやがった、【夜の女王のアリア】なんかは特に、耳をそばだてて、どんな小さな噂も聞き逃さないようにしていた。
…そんな中]