[空中をバタバタと上下に泳ぐ僕はさぞ滑稽な様子だったろうけど、明けが近いとはいえ夜空は夜空。
眼下は煌びやかなライトに照らされているから、空中にまさか人が吹っ飛んでるなどと誰も思わないだろう。
……情けない叫び声が聞こえなければね!
しかし、その威力はとても絶大だった。
本当にエリアの端から端までひとっとびと思われる程の推力で僕は空を駆ける。
抵抗がある筈の風圧なども全く感じないのは、妖精の魔法がしっかりと機能しているという事。
時間にして僅か数十秒のフライトではあったけど、次乗る機会があれば、もう少し出力を抑えて貰ってゆっくりと飛びたいものだね。]