回想:かつて戦場で
[足が速いだけの偵察兵に、視認する能力と分析する能力が備わっていたらどれ程完璧だっただろうか。目が悪いわけではないがそれは人並み。此方からしてみれば全てが”強い奴”。だから”何か”が居ることは把握できてもその強さや能力までは捉えきれないし分析もできない。
その”強い奴”を見たのは任務中のこと、敵国のスーツは周りの自然によく溶け込んでいて、そう、動き出すまでは実は此方は相手を捉えきれていなかった。
>>182]
え?
[
>>183止まれと言われて止まりかけた莫迦ならここにいる]
おっと、危なっ・・・
[立て直すまで数秒もかからない。敵国のカメラが捉えたのは残像程度だ。お蔭様で敵の姿や方向をバッチリ捉えた。飛んでくる鉛玉を躱すように走れば無傷のまま姿を眩ませることができただろうか。
――とは言え息が切れる。弾を避けつつ走るのは、連続ではちょっと御免だ]