現在:路地裏の廃教会
[クラミイと名乗ったおにーさんと別れたあとは、暫く・・・いや、結構長いこと女神像の下にいただろうか。10年前、この場所から逃げ出した。此処に戻ってきたのは”棄てる”と決意したためだ
>>0:395。先輩に言った言葉に嘘はひとつもない。
神様なんて信じていない、女神なんて何処にもいない。それなのに幼いボクは瓦礫の隅に隠れては、欠けた女神像を見上げて手を合わせて祈ってた。どうか助けてくださいどうか見逃してくださいどうか痛いことはしないでどうか気づかれませんようにどうか今日は静かに眠れますようにどうか ──
――それでも。明日は願えなかった。どうか明日が来ますようにと祈れなかった。明日なんか来なければいいってずっとずっと望んでた。]