[引き金は衝動に任せ、しかして犯行に隙は無く。]
[最初こそ幸運に愛されて居たのかもしれないが、どの事件でも女は、明確な証拠を残さなかった。
回数を重ねる事に学び、上手くなる。
初犯は10歳の頃。次は13歳、17歳、20歳。
全て事故、もしくは別な犯人が居る筈と、容疑者もあやふやなまま。
そして22歳、アルバイト先のパン屋にて大勢を無差別的に。
女曰く、限界だったらしい。
罪を隠し通す事等では無く、肉親への愛を抑えきれなくなったのだと。
そうなってしまえば足が付くのは当たり前。こうして連続殺人鬼は、自身の痕跡を隠す事を止めた。
逃げる事を考えなかったのかと問うたが、帰って来たのは「何故、逃げなければならないのか」と言った、逆に此方に向かって問い返す内容だった。
これに関しては、罪を認識していないが故の行動だったと思われる。
では何故、罪を認識していないと言うのに痕跡を隠し続けたのか。
それについては不明なまま、これ以上は無駄であると、アンダーテ特別罪人収監所への投獄を以てして全ては終わった。**]