「バレンスさんは刑務官だった時も、今も、 そして警察官だった頃もおそらく、 本当に、正義や真実をとても大切にする人で。 わたしに対しても真摯に向き合ってくれる 公正な人なのだと、わたしには信じられます。」[そんな彼女が何故、なんて話は綴らない。冤罪か本当の罪かも。 それはこの手紙を送る相手こそよく解っているだろうし――。 己の悪を既に認めていたハリコにとって、バレンスの罪の有無は重要ではなかったのだ。]