今は・・・[そう口にして、女神像に触れる。薄汚れて欠けて今にも崩れ落ちそうな石の像。訊けばマリアでも何でもないから御利益なんてどこにもないらしい喜劇の像。灰色の世界に在りながらそれでも笑顔を湛えたボクと同じ名前のそれは、・・・まるで昔のボク自身みたいだった神様なんて信じていない、女神なんて何処にもいない。だけどずっとお前はそこに在った。唯一ボクが”話せる相手”として。]