—広場―
ええ、本当によくお似合いですよ。
ベスト、新調されたのでしょうか。……仕立てがとても丁寧で、綺麗。
……その、ふふ。ありがとうございます。
あまり、褒め慣れておりませんから、……気恥ずかしいですね。
[彼の口から伝えられる言葉で更に頬に灯った熱が、燻る心地。>>114苦笑を浮かべつつ、談笑していれば 子どもたちが此方を見て にやりと笑みを深める姿が見えた。挨拶を交わす中でくいくいとしゃがむように促されては自身だけに聞こえるように小さく耳打ちで頑張って、の一言。手を振って過ぎていく子どもたちに小さくふるふると首を振って、———自身はいいのだけど、目の前の彼への誤解は晴らさなければ 彼に迷惑がかかってしまう。
なんて、思っていたら 彼の言葉に向き直り 約束の続きを、その間の先を相槌を入れて待ち———]