── 社長との邂逅>>183>>184>>185 ──
[樹脂同士が弾き会う音は実に心地良い。
かつて貴族の遊戯として親しまれたのも頷ける。
空を切るつもりの戯言も、物理学の抱擁に包まれていく。]
戦争で国を落とす時、一人の雑兵が王を落とせばどれだけ平和か。
一人の末端社員の犠牲だけで競合他社の社長の首が取れればどれだけいいか。
そんな事ほとんど起こりえないというのに
奇跡という幻想が小さな希望の舌をを肥やす。
[人である以上、入射角を定めてもその通りに反射するとは限らない。逃げ回る軌道は法則を持たず、そのエネルギーは不可逆だ。
ひょっとしたら私の言うことも、実際にひとつのビジネスを成し得た者にとってはズレた持論かもしれないが、そうだとしても見逃してもらいたいところだ。]