[ま、どれもこれもあくまでおまじないの域を出ず、
効果は人による。ってやつなんだけどさ。
そこはボクも商売なので、一応そのテの知識は持ってるのだ。
そのほかにもいくつか見本を見せてみて、
アロイスが気に入った石があればそれを使うことだろう。]
……しかし、そっかあ。
アロイスもいよいよか。
[ボクは首飾りのなんちゃらを信じてないけど、
別に信じてる人を否定するわけじゃない。
むしろ何の疑いもなくまっすぐに信じて、
素直に恋が出来るって、眩しいし羨ましいと思う。
年頃になってから、村の数少ない同世代の若者は
一人、また一人と結ばれていって。
アロイスもとうとうそっち側の人間になっちゃうのか…と
一人なんとなくしんみりしていた。]