>>194ウロボロス
自分から言い出したこととはいえ、不味い食事みたいに言われたら、嫌味の一つも言いたくなっちゃうでしょ?
[人気のない裏路地へとついてきた彼に、言葉とは裏腹に全く怒っていない楽しそうな様子でそう返事をする。そして辺りに他の存在がいないのを確認すると、茶番劇のような言葉遊びを素っ気なく石畳に投げ捨て、彼の質問に返す言葉を連ねた]
……たまには祭りを楽しみたいと思って、普通に遊びに来たっていうのもあるけれど、ね。
私の「お人形さん」にする人間を、探しに来たのよ。
あなた、慣れてそうだったから、穴場とかここ最近の人形市場事情なんか、知ってたら教えてほしいな、なんて思って。
……違った?
[人間相手には警戒して正体を隠しているが、同じ魔の存在に対して隠す必要もないと思い、あけすけにそう尋ねる。
彼から感じる力から察するに、もし対峙することになったなら力では敵わなさそうではあったが、霧になって逃げるなど何かしらやりようはある。それに、この街での立場を持っている彼が、大きな揉め事を起こしそうにも思えないので、それほど彼女も警戒はしていなかった]