[それでも殺しへの是非以前に、大穴の外で立ちはばかる看守たちを文字通り殺す力は、今のハリコにはない。
ちょっとした時間稼ぎその他の工作の心算だった水漏れが、文字通りの死地構築>>166>>167>>168>>169に発展するとはまさか考えていなかった。
150万1000円×nのM資金程度には揺らがないレベルの精鋭たちを相手取る>>155レイルの手を取ったまま、ハリコはその大穴の方を、ちらと振り返る。
――あの人/子たち>>101>>144>>194は、ちゃんとここまでたどり着けるのか。善き市民が探しに行った小さな淑女、と、その「大切な方」>>92だという誰かも。
話と噂の中でだけなら知っている、大して重くないラクガキの罪の――という側面しかハリコは聞いてはいない――ロディたん担の画伯のことも、この時何故かふっと思い出されていた。“放火魔”のレッテルを張られたコラボレーターとしての自分が、その人にどう思われているか>>1:132は分からなかったが……。]