[さて、この「傷跡」に文字通りツバをつけられそうになった時は、傷の無い左腕で反射的に制止のジェスチャーを。
「オクリビちゃんのツバの付け方さ教えて!」と問われたのは、そんな制止の仕草の後だったか。]
あのね、機体内部にツバが入るのはちょっと―――…
ううん。そういう話じゃないのよね。
[ズィーの言う「ツバの付け方」は文字通りの意味ではないと思考してから、腰のポーチに左手を伸ばし]
私の傷を完璧に直すには、ちょっと専門的な
知識とモノが要るんだけれど……
「応急処置」くらいの修理だったら、
プロじゃなくても扱える修理キットがあるのよ。
[そう答えながら取り出したのは、ウェストポーチに入る程度に小型化された工具箱。]