[新たな罪人たちを労いながら、
彼らを看守たちが引きずっていく様を眺めていた男は、
ふと、小さな声を耳にした。>>177
その先には、この牢獄に行くにはまだ幼いようにも見える少女がいた。
不安そうというわけでもなければ、別に抵抗する様子もない。]
…嘆かわしいことだねえ。
お前のようなちびっ子まで、殺しに手を染める世界。
実の両親を殺したんだって???
どんな考え方をしたらそんなことができるのか
俺にはわかんねえ…。
どんな悲しい過去がお前をそうさせたのか…
[実の親を獣のように猟奇的に殺してみせた殺人鬼。
そんな彼女を慈しむように、
男は視線を合わせるように屈む。ニコリと笑って]