[先ほどピギーは力強く掴んでいるように見えた。
自分が目の前の玉にそんなことしたら、すぐ割れそうな気がする。
そういうのも魔法力コントロールというやつか。
眉根を寄せて玉を瞳に映し。
両手のひらを上向きに、玉を乗せるようにして。
後数センチ、あ、風が、また後数センチ。]
ぁ、なんの形にしよう……うわぁ……っ
[行き当たりばったりすぎた。
えっとえっと、あれだ!ととっさに思いついたものは、あざやかに頭に浮かびイメージとなる。
泡が手のひらに自ら着地するように触れる。
息を殺しながら、大切に大切に包み込むようにして。
一心に見つめながら願い念じていく。]
……ど、どうだ。
[出来上がったのは、薄らと白と薄桃が混ざって色づいた、ハート型にも見えるような泡玉だった。
眉根を寄せたままの表情は成功ではないと語っていた。*]