[映画でもなんでも、ストーリーよりも個人を見てしまうのは自分の職業柄だ。
地球にいた時には無粋だと言われたり
嫌厭されたりしたことはあれど、
大事だと思うと言われたことはあまり無く。
呆気にとられた、ともいえる沈黙はほんの数秒で
頷きと、小さなありがとう、の声で破ってから
彼に聞きたいこと、で伝えた申し出はあっさりと了承されて]
…ありがとう。
それじゃ、私も。
転居先の住所もついでに送るね。
カラントさんはどのあたりを選んだの?
私はね、海が見える所にしたんだ。
[内心の緊張を隠そうと冷静さを装いながら、
手首に付けている端末を操作して連絡先を交換した*]