[…誤解なきようきちんと解説しよう。
男は別に、常日ごろから思考がだだ漏れなわけではない。
愛玩用アンドロイドから殺戮用アンドロイドに改造していくとき、当然思考がバイナリー言語となって漏れ出てしまう不具合についても把握していた。
それに対し、装甲を厚くすることで内部に音を篭もらせることと、思考用のシステムにつかう装置を、出力時の音が小さくなるようなものに変更した。
当然、普段であれば傍受されるような音ではなく、電波が漏れることもない。
…今このようなことになっているのは、
ひとえに直前に戦ったのがフィジシャンであったこと、
思考を読み取られた直後で、思考回路に負荷がかかり、比較的大きな音でバイナリーが出ていたこと。
音の反響を防いでいた装甲が完全にやぶれたことが原因にあった。
…要するに、『今このタイミング出ないと聴けない声』を、女はたまたま、つい、うっかりと、受信していたのである…!!!
普段ならありえないことだ…!!!と男は強く否定しただろう。顔面真っ赤で]