[そんなこの逃走劇のどこかで、この監獄を断続的に震わせる爆発音>>181>>182。
それがあの15年前の――学生だった時のハリコにも影響を与えた――事件の再来だとは、ハリコは考えていなかった。これもアレッキーノから伝えられた“花火大会”の一環くらいにしか捉えていなかったのだ。
だからまさか、この爆発が“理由なき悪意の再来”としての緊急生放送>>183の対象になるとも考えてはいなかった。
この悪夢を上手く利用すれば、冤罪を掛けられた“善良な市民”として、「緊急避難の心算がいつの間にか島から出ていた」なんて言い訳もできてしまうかもしれないというのに!**]