[鼻先を寄せる程に近づく距離。>>171 この距離を他人に許すことは久しくなかったのに。 今宵は、彼で2人目だ。 頬を両手で包み込み、額を合わせる。 鋭く近寄りがたい顔つきに相反する気性と、 向けてくれる視線の柔らかさ。 目に入れても痛くない教え子。 ……早速深入りしている。 少し酔い過ぎたかも知れない。 それもこれも、あのヴァンパイアのせいだと 頭の片隅で思う。]