[──そうして四度目の卒団式で、少年は別れたくないという気持ちから一つの行動を起こした。
最後の歌を歌うまでは終わらない。
それ故に、少年は最後の歌の前に屋敷の中を逃げ回る事にしたのだ。
探検をしているおかげで屋敷の中はそれなりに詳しい。
少年は小柄な体を利用して、懸命に逃げ回った。]
……!
[>>170本棚の影に隠れて息を潜めていると、聞こえてきたのはアレウスの声。
呼び掛ける声にびくりと身体を震わせたが、アドバイスらしき言葉に耳を澄ませる。
それが作戦だなんて露知らず、階段から来るらしい先生から逃げようと、慌てて彼の思惑通りに反対側に駆けていった。]