>>71>>72>>73 レイル
[世間一般的には、惚気、に近い内容を。
ふむふむと神妙に聞いていた。
語り続けながらも、まるで夢のような手捌きで
作業を進めていく青年。その様子をじっと見守った。]
じゃあ、あんたは望みに応えて幸せだったんだ。
相手もあんたが応えたから、幸せだったんだ。
……少なくとも、二人の中では間違いじゃあなかった。
それなら、いい。 とてもいい。
[孤児の身の上から、望まれて何かになった。
そうして貶められて、堕ちてきたからここにいる。
目の前の見目麗しい青年の述懐を、
我がことのように受け止めた。
「彼」も褒めてくれたかな、
自慢の息子だと言ってくれたかと。そう思うのだ]