─ 回想:シュクル ─
[ この村の若い男女の中で、私は年が上な方だ。
そのせいか友人といえば年下の子達ばかりだったから、
年上に対して敬えだとか、先輩のように扱えだとか
そんな感情を抱いたことは一度もなかった。
シュクルが私にお姉さんのように振る舞った時も、
私は特に気にする事もなく
ただ大きな飴玉に喜んでいた記憶がある。>>101
小さなシュクルが言葉を覚え、
私にお姉さんとして振る舞うまで大きくなったのだ。
可愛いと思うことはあれど、ふてぶてしいだなんて思いはしない。
大きな飴玉を前に得意げにしていたシュクルは、
私に菓子を人にあげる事の喜びを教えてくれた大切な存在だ。