[数秒の沈黙。
その間に、どんなことが思考されたのか知る由もないが、
ゆっくりと縦に首が振られる。導き出された答えは是であった。]
同級生、友人。
[彼の答えた情報に首肯して、繰り返す。
小学校、中学校、高校。机を並べた級友を思い返してみても、彼のような印象深い前髪をした人はいなかった。
ということは。
これから出会う、同級生?
…夢の世界だもの、そんなこともあるのかもしれない。
ほんの少し。この人が自分のなくした大切なものなのではないか、などと考えてしまっていたので恥ずかしくなった。
未来で出会う人を失くしたりできるのだろうか、と。]