[ 大人になり、すっかり一人のレディとして
此方を見るシュクルに店の飾りを手伝ってもらったその日。
特に気に入ったという黒糖の菓子を手にするシュクルに、
紙袋に追加のかりんとうを入れてやった。]
それはカリントウ、という菓子だ。
黒糖という珍しい砂糖と使うものでな。
故郷から仕入れて作っているんだ。
よかったら、家でも食べると良い。
飴ほどではないが、日持ちするよ。
[ そうして手渡した菓子は、後日また少し多めに作って
シュクルの家に届けた事だろう。
礼は菓子だけで十分、だなんて言う謙虚な娘には
それこそ十分な量の菓子を
食べて貰わなきゃならないからな。** ]