悪魔と公爵令孫
[公爵が亡くなり数日、少女は──忙殺されていた。
あちこちに動いては和解と復興の指揮を取り(権力と暴力で言うことを聞かせるのに私ほどの適任がいないのはわかったけど、本当に反抗的なのは別働隊が潰し回っているから私の仕事は実質ただのお飾りなのよね)、かと思えばページボーイに付いて回り。
部下を通じて宿の様子を見れば、通常通りに営業ができているようでほっと胸を撫で下ろしたことだろう。
お店が少し恋しいけど、それはすべてが終わったあとで。
今は一刻も早く
幽霊と街の騒乱を何とかしなければならない。
それも少しだけ落ち着き始めた頃、今度は組織の中での補佐に追われ。
その中で例の頭の解析も進んでいると小耳に挟んだ。
……そういえばページボーイが、フィジシャンが私を裏に連れ込んだからその責任がどうとか言っていて、頭にハテナを浮かべたことを思い出す。
差し入れついでに話を聞きにいこうかな。]