─ 回想:シルヴァン ─
[ 幼馴染のシルヴァンは、私の良き話し相手だった。>>135
何かあれば外でかけっこを……などという遊びは
あまり向いていない者同士として、
私と彼はよく室内で本を片手に話すことが多かった。
この村にはない文化である東方の話は、
それこそ興味がなければつまらないものだろうに、
シルヴァンはむしろ楽しんで聞いてくれて。
そんな彼の仕草に、
私は調子に乗ってあれこれと長話をしてしまったのだったか。
いつか故郷に行って
実際に向こうの物を学んでくるのだと彼に告げた時も、
シルヴァンは納得したように送り出してくれた。
そんな彼の存在に、何度救われた事だろう。 ]