[部屋に入れば異様に暑く、体を酷使しているのだろうとすぐに理解する。
汗を拭うタオルを交換し、外付けながら簡易な空調設備を設置する。しかし暫くは反応がなく。
邪魔にはならないよう、折を見て話しかけようと機を窺う。]
ねえ、聞いたわ。
一人であのBloodSunを壊滅状態まで追い込んだんだって?
「悪魔」の名は伊達じゃないのね。
[なんて他愛のない話から始めるだろうか。
裏に引き込まれたと言えど、アリシアの認識では「そうしなければならないことが起きた」だけであり、恨みや負い目は無い。
だからこそ、責任など問うつもりはないのだが──
この混沌を愛する男がこれから何をするのか、私に何を齎すのか。
はたしてこの組織で私は、平穏を得ることが出来るのか。
まず、話を聞かなければ。**]