『は?』[警戒を向けていた看守は、思わぬ方向から飛び出す投射物に視線を上にあげ──。 その刹那に私は姿勢を低く保ち、脱兎の如くバリケードから飛び出した。目指すは看守、ただ一点。 思わぬ伏兵に驚いた看守だったが、致命の間合いまでは一歩、及ばず── ──私が看守の首元に飛び込むよりも僅かに、突き付けられた銃口の方が早かった。]