― バー ―
いやいや、いくら俺の見目は悪くはねーとはいっても二人きりがご褒美は言い過ぎだろ。
[茶化すようにいっても、彼女の視線>>103はクロッキー帳のほうを気にしているのも知っている。当初からそういう傾向もあったからだ。
別にこれで食っていけるようなことはないが、それを卑下するような贅沢も特にはなく。
おう、倒れない程度に飲め飲め。と無責任なぐらいにいいながら、ポリポリと音を立ててクラッカーとチーズを合わせて食べる。]
気にするな。俺も我慢できずに飲んじまってるしな。ってことで、乾杯。
[掲げるだけでもよかったが、触れあえない微妙な距離感でグラスが彩る星雲と琥珀を添わせ、グビリと喉を鳴らしグラスを傾けた]