[正直なところ、任務の進捗は程々といった感じだが、俺の調子は到底いいとはいいがたいし、それ以上に隣の婚約者とは過去一というぐらい色々なものが噛み合っていなかった。
厄日というのがあるならまさに今日だろう。
家の事を抜きにしても……最悪だ。
軽はずみに呟いた言葉は、思った通り詩音の気に障った>>204らしい。
どう気に障ったのかは…微妙に意図を測りかねるところもあったが。
ただ、俺に背を向けて歩き出す様子を見れば、嫌でもそう実感せざるを得ない。
このまま任務が終わったら、終わったものと諦めて、互いの家に婚約解消を伝える……事になるのだろうか。
そろそろ上の階の連中も担当の階層を片付け終える頃合いだろうし、再度合流したら後はそのまま宿に戻るだけだ。]