[ ひとつ。 両親は焼死ではなかった。 首吊り、服毒…出来るだけ静かに 命を断つやり方で。たった二人で。 両親は王とは別に、互いを愛していましたから。 ひとつ。 静かになった家に、火が放たれた。 それも王が処刑日を取り決める前に。 >>1:*3 あの国では然程珍しく無い話。 裏切者の両親が亡くなった。 そんな当たり前の事なら、尚更。 その後捜索が入らなかったのは。 誰かが告げ口したのだろう。 両親「にも」反乱の心があったのだ、と。 歪な嘘は、真実として放られたまま。 ]