ハリコ・モーガンズに何があったのか
[さてここで、ハリコがこの最低最悪の絶海隔離監獄行きになった事件のことを整理しよう。
看守たちからはこう
>>139>>140捉えられたり、あれやこれや悪しざまに他の囚人たちに告げられたり
>>148>>150などしているのだが――。
その火災の発生現場は、都市部に位置する富裕層向けのとある料理店。ここでは火災当時、さる有名ブランドのファッションショー後のパーティーが催されていた。
現場にいたレストラン従業員や警備員、招待客らの証言から、当初は厨房からの失火が原因と考えられていた。だが警察による現場検証と更なる証言によって放火と断定された――というのは先に述べた通り。
パーティーの主催者側や招待客の多くは(デザイナー本人も含めて)怪我があっても軽傷程度で済んだが、従業員や警備員及び、一部のショースタッフや招待客の中には、逃げ遅れた人々もいた。この放火による重傷者は、こうした逃げ遅れた人々の中から出た。
従業員や警備員、一部ショースタッフが逃げ遅れた理由は言うまでもない。“雲の上の人”ならぬ“無名の市民”の避難は後回しにされた、というだけのことだ。こうした人々の中から死者が出なかったことは、辛うじての救いと言うべきだろうか。]