広場
いや、このベストは俺の祖父の頃からのものなんです。
この祭りの時にだけしか使わずに普段は大事に保存してあるから、それで綺麗なのかも。
[あるいは簡単に保存のための魔法処理でも施されているのだろうか。
どちらにしても少し古びてこそいるものの、十分に綺麗に見えるのは間違いない。]
そうですか?はは…褒め慣れていないのは俺もですかね。
ん…お前ら。リトリコ先生に用か?
[村の子供たちが先生とこちらを見ながらにやりとしている。先生に耳打ちで何か言っているようだが…先生が首を振っている。
耳打ちされた内容はさすがに予想もつくけれど、こちらもいつもなら大人を揶揄うなとでも言って追い払うものの、今日はばつの悪い素振りをしてしまうばかりだ。
先生はどう思っているんだろうな。と、ちらっと視線を向けた。]