水雪
「きみ、舞台に興味ないか!?」
ないです。
[ざわつく周囲の中、やけに声の大きい人に声をかけられた。
その人は【演劇部 部員大募集!】と書かれた看板を持っていた。]
「きみならスターになれる!ぜひ演劇部へ!」
[今まで何度もかけられてきた言葉を聞きながし、人混みに紛れてその人を撒く。
芝居をみるのは好きだが、人前に出るのは好きではない。
美術部、手芸同好会、華道部、漫画研究会……様々な部活のチラシを手渡されながら、なんとか勧誘の波を抜ける。
中学では手芸部だったが、高校でも同じ部活をするか、違うことをしてみようか。バイトをしてみたいので入らないという選択肢もあるが、どうするかはまだ決まっていない。]