─某日・どこかの裏通りで─
[街中を歩く。背に人の腕を持ち歩き、両腕は何時でも戦えるよう機械腕に。
今はいわゆる小さな組織や集団に意思確認をするため、直接会いに行く所だ。
透明な敵がいるとなれば不用心に歩いているように見えるが、些細な違和感を警戒し周囲を窺いながら同行する者が数名。
例の機械にはまだ遭遇もしたことがないため、少女には未だ実感を得られていない節があり──端的に言えば、不意に遭遇してみたいとすら思う程度には、その存在を実感できずにいる。
そんな折に、少し遠くから女の子の悲鳴>>190。
「行ってみたい、ダメ?」と目で問えば露骨に嫌な顔をされるのだが、それを止められるような人はこの同行者の中にはいない。
取引相手の組織さんには、少し待っていてもらうとして。
少女の命を助けるに間に合うかは不明だが、助かれば幸運だと思ってもらう他ない。
よもやその少女が、マフィアのボスであるなどとは露知らず。
不意打ちとはいえ公爵や幹部連中をボロボロにした彼らの、お手並み拝見といこう。*]