[小道具係りとしての活動は、楽しいものだった。
もともと何かを作ることが好きだったし、細かい作業も苦ではない。
出来たばかりの赤薔薇のコサージュを部屋にいた彼に、着けてみる。]
ちょっと傾いちゃうな。
花びらの枚数を増やす?でもそれだと全体のバランスが……
[身じろぎする彼に動かないよう言い、ああでもないこうでもないとあれこれ弄る。
彼が着けるわけではないが、今は他に人がいないのでモデルになってもらう。]
ピンの場所を替えた方がよさそう。
[目途がたったらコサージュを外し、調整をする。
これは今度の文化祭で行われる劇、『太陽の子ソールと 真紅の愛のエリザベート』で使われるものだ。]
ブラスバンド部も大変だね。
インフルエンザかあ、私たちも気を付けないと。
でも、軽音部に手伝ってもらえることになったのは良かったよ。
向こうも人数そんなにいないだろうに。