あっ……私の……え、なにするつもりなのよ?[思考がまとまったのか、伸びながら礼を伝えたであろうケンチクは、私が無意識に引っこ抜いてしまった人参も抱えて足早に去っていった。>>111 「にんじん」……と少し寂しそうに呟くも、このまま二人で仲良く罰を受けるよりはマシかと、咄嗟に動いた男の背中に心ばかりの感謝を送っておく。 彼の“依頼”が上手くいく事も祈りつつ、私はしばしその場でぼうっと過ごすのだった。*]