[閑話休題。
この『告白』は、中学生になり思春期に入った頃の兼平理音にとっての救いになった一曲です。
この時期、理音にはとある辛い出来事があったのですが、その苦しみを「告白」できないまま、ただ周囲から求められるような自分を演じる「嘘つき」になっていたようなのです。
辛いといえば、思い切りツバサ様の追っかけのバンギャを楽しんでいた自分のことを理解してくれないお父さんやお母さんに対しての不満などもあったでしょうが(※まだ中学生でしたからね。ひとりでライブハウスに行って深夜まで帰ってこない……なんて状況があれば、親御さんも心配になったことでしょう)、それとは別の心苦しさ、生きづらさもあったのですね。
この当時、既に大苗になっていたとはいえまだ若木であった白薔薇は、この当時の理音の感情に触れています。勿論、『告白』という楽曲の記憶にも。
そしてこの頃の記憶はちゃんと今の白薔薇の中にも存在します――つまりこの時に白薔薇の樹霊は、ある程度「人格」らしい意識を獲得していた、ということになります。]