――ヘロンさんとのことを考えながら――
[口をついて出た私の問にヘロンさんが答えてくれたことは、耳に届いていました。
その様子から本心からの言葉だったのだろうと今も思っています。
>>127“私達”を恐れるニンゲンばかりじゃないことも、私達を助けようとしてくれるニンゲンだって存在することを――
最も、そういう人間は、ニンゲン達に狂人と呼ばれ、私達と同じように排除の対象にされましたが、私は知っていました。
おそらくヘロンさんは私がヒトを襲う姿までは“見て”いなかったのでしょう。
>>73>>128けれどあのまま一緒に居たら、私が初めて自ら人間たちを襲った時の光景もヘロンさんに目に映し出されていたかもしれません。
下男と村を脱出したあの日の光景が――…
>>0:93]