― そうして、今日と言う日 ―
[看守に連れられ、わたしは寂しい独房を後にする。
どうやら、今日から共同室に戻れるらしい。
手枷に繋げられた鎖を乱暴に引かれながらも、わたしは背筋をしゃんと伸ばし、微笑みを浮かべ通路を歩く。
とは言え、移されるのは夕方の話。
今は刑務作業に移り、その後は自由時間が待って居る。
ああ、今度はどんな人と同室になるのかしら。
女の人?男の人?わたしを拒絶する?それとも受け入れてくれる?
期待に胸膨らませる姿に苛立ちを覚えたのだろう。のろのろ歩くなと、何度も難癖を付けられ、警棒で腕や胴を殴られるも、わたしは何も気にしない。
こちらを罵り踏みつけんとする言葉を聞き流しながら、心の内、目の前の存在を哀れと思う。
哀れな人、愛の与え方を知らないのね。
でもね、いつか私が愛を教えてあげるから。それまで待っててちょうだいな。
――目が気に入らないと、
そう言われ、勢いよく頬を張られた。]