[その後、特にアリシアの側から此方に用がないようであれば、引き留めたことを詫びてそのまま見送る心算だったのだが――]
あの、
………いえ、失礼。なんでもありません。
[自分が一体何を口走ろうとしていたのか、この時のオクリビにもよく理解できていなかった。
それは「機械化少女のアイドルデュオ」なんて他愛ない夢物語>>0:192のことだったか。
それとも至って真面目な組織間交渉の話だったか。
それとも――「時を止めたように姿変わらぬ者」としての想い、か。
多量の命令が集中して応答が止まってしまった女のCPUは、この時、自分の方からアリシアに話を振ることを止めさせていた。*]