幸か不幸か、相席食堂
[女は目当ての店に、平々凡々という時間でたどり着くことができた。
少なくともガイドを取り落としたりと言ったことはなかったため、旅行の出だしとしては何も問題がなかったと言えるだろう。
飯どきも近いのか、混みあい始める店の中。
運よく一席頂けて、メニュー表を眺めながら、目当ての棒棒鶏も含め、先日やったように端から頼んでみようかと思った矢先。
掛かった声に反応するように、顔を上げれば人物が一人がいた。
>>170]
相席ですか?
私は構いません、そちらが問題なければ。
多分、テーブルの半分以上を
私の注文が占拠してしまうかもしれないので。
[そう言うと、丁度通りかかった店員に
お決まりの
「ここからここまで全部ください」を告げたのだった]*