[スルガ・カツゴウ、落書きによる器物破損、累犯での刑期延長。ここでは随分と軽い刑、それを何度も繰り返している。規律違反で刑期が延びる者は沢山いるが、彼はどこか、他の者とは異なっていた。何が、どう、違うのか。わからない。本国で見てきた者達とも、ここにいる数多の囚人達も、違う気配。知っているようで知らない、初めて会うようでずっと前に会っている、そんな曖昧としたもの。]