[恨みの籠った視線を投げるわけでもなく。敬愛の視線を向けるわけでもない。ただ、のらりくらりの昼行燈。持ってくるものは己の気分次第。困った者がいるのならば放っておけないという、まるで生前の兄と正反対のその姿。――そのあたりは、己の兄を喪い呆然とした己を見てだろうか、或いはこの国のことに対して憂う何かがあったのだろうか。幼馴染姉弟の弟の方――彼の方>>97が嘗ての兄の気性に似ていたように思う。閑話休題。]