[寡黙で無表情なケン・ドリック。
誤解されやすいだけでいいヤツなんだろう。
花を散らしたり、窓を割ったり、動物が苦手だったり
―― これはまだ撮ってないシーンの話 ――
ステロタイプな『 素っ気ないけれどいいヤツ 』の類型から
ズレているのは悪くない。
そんな可愛げのない思考を巡らせて。
碌な言葉も用いずに世を渡る傲慢さ
(といったものに千木良には感じる)は己にはないものだ。
羨ましいか? ――――そうでもない。
(恐らく多少の強がりも含む)
愛想のよい笑顔や、上辺だけだったとして親切な言葉にも
意味があるのだと知っている。]