[機体を降り、トループの市街地へ身を滑り込ませる。
実は先のジャンク屋から、紙切れを渡されていた。内容は単に簡易的な地図で、ジャンク屋店舗の位置が書き記してあった。
デジタルな画像ではなく、パーツの現物も見に来い。…と言いたいのだろう。
それとは別、長くトループに来て居ないから店の場所を忘れているだろう、という配慮である。
バカにするなよ覚えているに決まっている現地に行けば道の一本ぐらい記憶に…!
裏道に入り込み、入り組んだトループの道を行く。大通りから外れて市街地に入ったのだろう、細かな道や建物が増えてきた。
廃墟の目立つ地区なのは、扱う品物の為に、広いスペースを確保する為か。
道幅はどんどんと狭く、暗くなる。
もう随分歩いた気がするが、此処を抜けたら見慣れた地区に出るだろう。そう思いながら歩を進めて。
そうして不意に、空が開けた場所に出た。
明るさに気付き、手元の紙切れに落としていた視線を上げる。
壁も崩れた其処には印象的な女神像が一つ。教会跡と脳が判断して。]